星を継ぐもの

久々に読み返してみました。

星を継ぐもの (創元SF文庫)

星を継ぐもの (創元SF文庫)

高校の図書室でいらなくなった本(SFばかり)を大量にもらってきたことが過去にありまして、そのときの本たちの中に入っていた本です。数年以上前に読んでいたのですが、もう一度読みたくなったので読んでみました。第二版くらいなので、ものすごく黄ばんでいました。読んでいくうちに内容を思い出しました。読む前はまったく覚えていませんでした。

J P ホーガンはやはり面白いです。
「月面の裏に5万年前に死んだと思われる人間が発見された。一体彼は何者なのか?」
というのがテーマです。さまざまな人たちがこの謎解きを解こうとします。SFミステリのような感じでしょうか。徐々に明らかになっていく一つ一つの事柄が次の解明につながっていきます。
読んでいくうちに前に読んだときに受けた感覚を思い出してきました。
結末まで読んだときに、寒気を感じるほどの「センスオブワンダー」を感じました。クラークの「太陽系最後の日」の最後のシーンに匹敵していたのを覚えています。すべてのピースがはまっていき、最後にできあがる絵のすばらしさと、その完成された絵から想起される無数のイメージが頭に流れ込んでくる感覚に寒気を感じました。
このような感覚を得ることができるのは小説だけだと思います。