大風呂敷と蜘蛛の糸

「大風呂敷と蜘蛛の糸」(野尻抱介著)という短編を読みました。SFマガジンの今月号に載っていた作品です。
北大の工学部の女子学生が高度80kmの中間圏に大風呂敷で向かうという話です。十勝平野で気球を二つくっつけたプラットホームを揚げ(大樹町)、高度40km地点に浮かべ、それにとりつけられたカーボンナノチューブ製の繋留索にゴンドラをつけて、宇宙服を着てプラットホームまで行き、そしてそこから校庭くらいの帆の凧を揚げる。その凧にゴンドラをつけてさらに上を目指して高度80kmに行く、という話です。
描写のひとつひとつがとてもありそうで、本当にそのようにやったら中間圏に行けるんじゃないかと思えるような作品でした。楽しかったです。

今月号のSFマガジン神林長平の「戦闘妖精雪風」の新作や、森岡洋之の「星界」シリーズの新作もあって読んだのですが、どれも面白かったです。雑誌は新作が読めて良いです。