博士課程へ行くということ。

いま、修士課程1年です。
まわりでは就職活動している人がいますが、自分はしてません。
博士課程に進学するつもりでいます。博士課程は標準で三年間ありますから、あと四年程大学院にいることになります。今23歳ですから、博士号を取得するのは27歳になります。
27歳!
私は二十代の大半を大学院に捧げることになります。まわりは自分の力で生計を立てている人が多いでしょう。給料を稼ぎ、学生時代よりよい生活水準にいると思います。そのとき私は何をしているのでしょうか。想像もつきません。もちろん、順調に行った場合の状況を予想することはできます。学振をとりそのお金を貯金し、結婚し、職にありつけている、というささやかな幸福を夢想することはできます。しかし、現状はそんなに甘くありません。企業に就職するとすれば、27歳だともう新卒採用ではありません。中途採用です。理論物理というおよそ応用とはかけ離れている学問の博士を、企業が即戦力としてとるとは思えません。職種を選ばなければもちろん職につくことはできる、と思うかもしれません。しかしそれすらもかなわないかもしれません。前の研究室のドクターの人は企業就職を何十連敗し、結局就職は決まらずに博士号をとりました。
研究者になるためには公募に通る必要がありますが、理論物理の公募は100倍以上になります。そして数自体がほどんどありません。大学院生は多くても先生の数は何十年も前からほとんど変わっていないからです。博士が100人いる村では16人が無職で、8人が行方不明であるというブラックジョークがあるくらいです。
運良く研究者になれたとしても、そのほとんどの職が数年の任期制です。つまり、3年程度でそのポジションから放り出されます。なので次のポジションの公募に通る必要があります。通らなければ無職です。つまり三十代職歴なし無駄に高学歴無職になります。安定したポジションにつくには、いまの情勢だと30代後半になるでしょう。
いま、23歳。ここで就職しなければ、30半ばまで収入なし下手すれば無職になります。人生を安定させるにはここで(修士課程修了で)就職するべきなのは明らかです。
博士課程へ進む人はほとんどが「自分だけは大丈夫」と思っています。自分もそうなんじゃないのかと思うと怖いです。

阿呆と呼ばれてもいい。人生一回きりしかないのだから、自分の可能性の限界に挑戦したい。
今、出来る限りの事をしないと、挑戦したことにすらならない気がします。
まわりが就職活動していて少し焦ってきたので不安になったので気持ちを奮い起こすために書いてみました。