海辺のカフカ感想

小出しに怒りを発散させてしまったせいか、読み終わったときにはそんなに怒りはわいてきませんでした。

一言でいえば駄作でしょう。
作者がおごっているとしか思えません。読者にはこのくらいアピールしないと最近の読者の読解力は低いから。と思っているとしか思えません。
状況と行動でキャラクターがいまどういう気持ちになっているのか十分にわかるというのに、それをあえてキャラクターが「喋る」。読者が予感するこの先の展開を、キャラクターが同じように「予想する」。キャラクター達は西洋の哲学を「引用して」しか語らない。
作中にはまめ知識ばかりばかりちりばめて読者を「わかったつもりにさせる」。
くだらない。本が売れればどんなことでもしていいのだろうか? 
常に作者という存在がちらつき、そのせいでどんな人称を使っているときも語り手は作者。一人称のときに紡がれる言葉はキャラクターの経験の中からでてくるはずなのに、明らかにキャラクターが知らない語彙を用いる(「乱数表」など)。
比喩が陳腐。抽象的な表現で読者を煙に巻けると思っている。作者が「自分は頭がよい。賢い」と思っているのがまるわかり。
「フシギ」をだせればどうにかなると思っている。
春樹の中の現代は学生紛争の時点で凍結している。
男性優位的。
女性蔑視。
狙ってやったとしか思えないところがある。(物語的必然性がない)。<エロゲー的?
春樹が成長していないため、少年の成長などかけるわけもない(結局周りがかわっていったために少年は自分がかわったと錯覚しているだけ。春樹の駒ですね)
「読みやすい」というのは「こんな自分でも読める」の裏返しである可能性があるので「読みやすい」を理由にして本を薦めるはどうかと思います。

(なんか「こんな○○はいやだ!」の芸人のネタみたいな書き方になってきました)

さて、私はこのように、この作品は駄作であると考えました。今から、絶賛しているサイトに行って理由を探りに行こうと思います。

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http://d.hatena.ne.jp/doctorbird/20050408
しかし先に同じように考えている人を発見(笑)。
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検索終了。
面白いと言っている人ほどただ「面白いから読んでみて」と言っている気がしました。
深く読み込んでいる人で「面白い」と言っている人の書評が読みたいです。

追記:春樹を継続して読んでいるわけではないので、春樹がどのように書き方をかえて行ったかなどは知りませんし知る気にもなりません。私が読んだ印象は「こいつ現代を書いていないな」でした。ネットを徘徊しているうちに「前よりは変わった」と書いてあるのを発見したのでこのような追記をしました。

追記2:

海辺のカフカ (下) (新潮文庫)

海辺のカフカ (下) (新潮文庫)

 
海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

書いておきます。